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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

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ゲッツ板谷プロフィールphoto

板谷宏一

1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

Vol.30 イタシシ


 いやぁ~、最近はますます温厚になってきて、時には息子の友達なんかにもタメ口を叩かれちゃってるオレなんだけどさ。
 先日、オレが今までに1番怒った時のことを思い出してね。忘れもしない、あれは高校2年の秋口でしたよ。
 その頃、オレは高校の友達に紹介された、アメリカンスクールに通っていた同じ歳の「薫」って名前の娘と付き合っててね。いや、今、思い出してもオレが付き合った女の子の中でもダントツに可愛い娘でさ。オレはホントに夢中になってたんだけど、その日、学校に行ったら、その娘を紹介してくれたマサヤって奴がオレのところにブッ飛んできてさ。次のようなことを言うわけですよ。
「板谷、ヤバいよ。薫の奴がウチの地元の後輩に捕まっちゃって、先輩の家でメタメタ酒を飲まされたみてえでさぁ。下手すりゃヤラれちゃってるぞ、あれ!」
 次の瞬間、オレは気がついたら、そのマサヤって友達の顔面を思いっ切りブン殴っててね。そう、それを知ってんなら何でテメーはソレを止めなかったんだよ!!っていう怒りですわ。で、マサヤは鼻血を出しながらも、「いや、その先輩は地元でも最も怖い人で、とてもそんなことは出来なかったよ!」なんて言うんですわ。

 その日の放課後、オレはマサヤを案内役にして、彼の地元である調布市の1軒屋の前に立っててね。ちなみに、その家がオレの彼女の薫を連れ込んだマサヤの先輩とやらのヤサでさ。てか、学校からその家に行くまでにもオレは、もう自分の怒りが止まらなくて駅とかで目が合ったツッパリなんかを無条件で5~6人ハッ倒しててね。
 そう、その当時、オレは親戚のヤクザの叔父さんの事務所に頻繁に出入りしていて、将来は割と真剣にそっちの業界に入ろうとしていたんスよ。で、とにかく、そのマサヤの先輩の家にノックもしないで勝手に入ってったら、その先輩ってのが居間で横になりながらTVを観てやがってさ。オレは、いきなり土足でその野郎の顔面を10回ぐらい踏みつけてたら、ソイツの親父みたいなジジイが出てきてオレのことをドツいてきたから、面倒臭いからそのジジイのこともブン殴っちゃってね。そんで、とりあえずその先輩って奴を家から引きずり出して、近くの公園まで連れてって、そこの脇っこに正座させてさ。ようやく落ち着いて尋ねたわけっスよ。

「で、お前、薫とはSEXしちゃったの?」
「………………」
「あいっ、訊いてんだろうがあああっ!!」
 そう言って、そいつの顔面を今度は真横から蹴るオレ。
「あっ……ふぅわい、ヤッ……ヤッちゃいました!」
「くぅの野郎おおおおおおおお~~~~~っ!!」
 それからのオレは、ソイツのことを何発蹴ったり殴ったりしたかは覚えてない。覚えてることと言えば、友達のマサヤが泣きながらオレが暴れるのを止めていたということだけだった。そして、もう1つだけ、それから30年以上の歳月が流れているというのに未だに覚えているのは、そのマサヤの先輩が言った「ヤッたのはオレだけじゃないっス!」という一言だった。
 そして、数分後。オレは今度はマサヤを連れて薫の家へ向かった。

「あっ、どっ……どうしたの、コ-ちゃん!?」
 自分の家の前に立っている俺を見て、驚いている薫。
「おメー、このマサヤの先輩とヤッちゃったんだって?」
「えっ……………」
「ヤッちゃったのかって聞いてんだよおおおっ、ぐぅおらあああああっ!!」
「う、うん………」
「はい、お前、失格っ!!」
 そう叫んだオレは、反射的に薫に猛ビンタを食らわしていた。
 その後、オレの地元の立川に帰るまでの駅のホームでも、ツッパリを見つけると片っ端から殴りつけ、改札を出てからも町中で酔っ払ったオヤジもオマケ感覚で殴りつけ
、さらにウチの近所にあったタバコの自販機も蹴り壊していました。……いや、今、こうして思い出すと、ケーサツにパクられなかったことが奇跡だな。

 つーことで、あけましておめでとうございます。今年もヨロピクねぇ~!





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